引越しで家電をどうするかは、荷造りより前に決めたいテーマです。冷蔵庫や洗濯機は、運搬費だけでなく、搬入、設置、処分、配送日まで予定に影響します。
手持ちの家電を持っていく・買い替える・処分するに分けると、必要な手配が見えてきます。新居の採寸、機種別の準備、正規の処分ルートを順番に整理しましょう。
引越し時の家電は3つに仕分ける
家電の年式だけで結論を急ぐ必要はありません。状態、新居の設備、搬入経路、引越し後に使えない期間を並べると、家電ごとの優先度が変わります。
| 選択 | 向く状態 | 先にそろえる情報 |
|---|---|---|
| 持っていく | 正常に動き、新居へ搬入・設置できる | 寸法、付属品、作業範囲 |
| 買い替える | 設置できない、不調がある、生活に合わない | 配送日、設置、旧品回収 |
| 処分する | 新居で使わず、再利用もしない | 品目、回収日、正規の依頼先 |
持っていく家電は「使える」と「置ける」を分ける
正常に動く家電でも、新居に置けるとは限りません。冷蔵庫の扉の向きや放熱スペース、洗濯機の防水パンと蛇口は、生活のしやすさに直結します。
エアコン、食器洗い乾燥機、壁掛けテレビは、取り外しや再設置に専門作業が必要になる場合があります。見積もり時に機種と設置状況を伝えて、作業範囲を確認します。
買い替えは採寸と配送枠が決まってから
新居の採寸前に旧家電を処分すると、新製品が入らない、設置工事が間に合わないという事態になりかねません。本体価格だけでなく、配送と設置の条件も比べます。
迷う家電は、運搬・購入・設置・処分の作業を1枚の表へ書き出します。費用だけではなく、いつから使えるかを並べると選びやすくなります。
処分する家電は退去日から逆算する
粗大ごみや販売店の回収は、申込日と回収日が別になることがあります。不要と決めた家電は、引越し直前まで保留せず、排出方法と日程を早めに押さえます。
「まだ使える」だけで決めず、新居に入るか、いつ使い始められるかまで見ておくと、引越し当日の困りごとを減らせます。
持っていく家電は搬入経路と設置条件を測る

大型家電は、設置場所だけでなく玄関から部屋まで通れるかを確認します。ドア、廊下、曲がり角、階段、エレベーターの有効幅を、突起物を含めて測ることが大切です。
冷蔵庫は放熱と扉の開閉まで見る
冷蔵庫は本体寸法だけでなく、周囲の放熱スペースと扉を開ける方向を確認します。必要な余裕は機種ごとに違うため、購入候補または手持ち機種の取扱説明書を見ます。
洗濯機は防水パン・蛇口・排水口をそろえて確認する
洗濯機は、本体の幅と奥行きに加えて、防水パン、排水口、蛇口の高さ、給水ホースの接続を確認します。ドラム式は扉を開く空間と搬入経路も必要です。
パナソニックは、大型家電では設置スペースに加え、ドアや通路、階段を含む搬入経路の確認を案内しています。間取り図だけで決めず、内見時の写真と実測値を残します。
周波数・コンセント・専用回路も地域をまたぐ時は確認する
地域をまたぐ引越しでは、製品が50Hzと60Hzのどちらにも対応するかを銘板や説明書で調べます。エアコンなど消費電力が大きい機器は、専用回路やコンセント形状の照合も必要です。
延長コードや分岐で設置条件を無理に合わせるのは避けます。電源や工事が必要な場合は、販売店または設置事業者へ機種と新居の設備を伝えて相談します。
運搬と買い替えは支払う項目をそろえて比べる
運搬を選ぶ場合は、荷物量、取り外し、搬出入、再設置、試運転の負担を見ます。買い替える場合は、新製品の配送、設置、旧品回収、受け取りの立ち会いが必要です。
冷蔵庫や洗濯機を使えない日が続くと、食事や衣類の管理にも影響します。費用が近い選択肢なら、引越し後の生活をいつ再開できるかで比べると予定を決めやすくなります。
冷蔵庫・洗濯機・エアコンの運搬前にすること
運搬前の手順は型番によって異なります。ここでは共通して確認したい項目を示し、実際の電源操作、水抜き、固定方法は取扱説明書と依頼先の案内を正本にします。
冷蔵庫は庫内整理・製氷停止・霜取り・排水を進める
冷蔵庫は食品を計画的に減らし、自動製氷機がある機種は給水タンクの水と氷を処理します。霜取りと排水が必要な機種もあるため、引越し日が決まったら説明書を確認します。
パナソニックの案内では、庫内を空にし、製氷を止め、霜を溶かして発生した水を排水する手順が示されています。通電を止める時期と再開時期は、機種別の案内に従います。
洗濯機は水抜きと付属品の保管を先にする
洗濯機は給水・排水ホースに残った水を抜き、ホース、アース線、電源コードをまとめます。洗剤や柔軟剤の自動投入タンクがある機種は、内容物を空にする手順も確認します。
ドラム式洗濯機は、輸送用固定ボルトで洗濯槽を固定する機種があります。ボルトを紛失した場合は自己流で代用せず、メーカーまたは販売店へ対応を確認します。
エアコンは移設工事の範囲を見積もりへ入れる
エアコンは取り外しと取り付け、配管、室外機の設置場所、専用コンセントなどを確認します。賃貸物件の備え付け機器は、管理会社の扱いを確認してから依頼します。
買い替える家電は配送・設置・旧品回収を一緒に決める

新居で使う家電は、採寸後に配送枠と設置条件を確認して注文します。配送日を引越し搬入と同じ時間帯に重ねると、廊下や設置場所を確保しにくくなります。
初日から必要な家電を先に手配する
冷暖房、照明、冷蔵庫、洗濯機などは、季節や生活条件によって初日から必要になる場合があります。代替しにくいもの、工事や立ち会いが必要なものから日程を押さえます。
電子レンジや掃除機、追加の収納用品は、生活を始めてから選べる場合があります。最初に全部をそろえるより、生活を止めるものを優先する方がサイズ違いを減らせます。
旧家電の引き取り場所と料金の内訳を確認する
買い替え時の旧品回収は、配送先と回収場所が別でも対応できるとは限りません。注文前に、旧家電の住所、階段の有無、メーカー、品目、取り外しの要否を伝えます。
家電4品目では、リサイクル料金と収集運搬料金が別にかかることがあります。メーカー、品目、容量や画面サイズ、依頼先で違うため、固定額だけで見積もらないことが大切です。
単身の新居では、最初から大きな家電を選ぶと通路や収納を圧迫することがあります。家族の引越しでは、冷蔵庫と洗濯機を使えない期間が短くなるよう、旧居と新居の日程を並べます。
長距離では、家電の到着日や途中保管の有無も影響します。運ぶ場合と新居で買う場合を、荷物量だけでなく配送日、設置日、旧居での処分日まで含めて比べます。
新居配送と旧居回収の場所が違う場合は、注文画面だけで済ませず、販売店へ対応の可否を聞いておくと予定を組みやすくなります。
引越し作業と配送の時間帯をずらす
引越し便、家電配送、ガス開栓、通信工事が重なると、立ち会いと搬入が混み合います。管理規約の搬入時間も確認し、必要に応じて配送を入居前後の別日にします。
不要な家電は品目ごとの正規ルートで処分する
不要な家電は、家電4品目か、それ以外かで処分ルートが異なります。引越し業者が運搬できることと、家庭から出た廃棄物を回収・処分できることは別です。
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電4品目
家庭用のエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクル法の対象です。自治体の一般的な粗大ごみと同じ方法で出すのではなく、所定のルートを使います。
買い替える場合は新しい製品を購入する小売店、処分だけなら購入した小売店へ引き取りを依頼します。購入店が分からない場合は、市区町村が案内する方法を確認します。
自分で持ち込む場合もメーカーと区分を控える
指定引取場所へ自分で持ち込む方法を案内している地域もあります。メーカー名、テレビの画面サイズ、冷蔵庫の内容積を控え、家電リサイクル券など必要な手続きを確認します。
持ち込み先の受付時間や臨時休業は変わることがあります。家電を運ぶ前に、指定引取場所の案内と自治体の手続き情報を見直し、製品を分解せずに持ち込みます。
小型家電と電池は自治体の分別ルールを確認する
電子レンジ、掃除機、扇風機、照明器具は、地域により粗大ごみ、不燃ごみ、小型家電回収に分かれます。携帯電話や記録媒体は、処分前にデータを消去します。
充電式電池やモバイルバッテリーは、家電本体と分ける必要がある場合があります。回収品目、投入口の大きさ、排出場所は自治体ごとに違うため、居住地の案内を確認します。
テレビ・パソコン・電池内蔵製品は分けて準備する
テレビは画面サイズでリサイクル料金の区分が変わる場合があります。型番だけでなく、画面の大きさとメーカー名を控えておくと、販売店や指定引取場所へ相談しやすくなります。
パソコンやスマートフォンを手放すときは、データのバックアップと消去を済ませます。初期化だけで十分かは機器や保存内容で異なるため、製造事業者の案内も確認します。
モバイルバッテリーや取り外せる充電式電池は、一般ごみへ混ぜない扱いの地域があります。膨らみや破損がある場合は、自治体または販売店の相談窓口を利用します。
譲渡やリユースを選ぶ場合も、動作、安全性、付属品を確認します。再利用できない家電をリユース名目で不明な回収先へ渡さず、正規の処分ルートへ戻します。
環境省は、家庭の廃棄物を回収する無許可業者を利用しないよう案内しています。処理先や必要な許可を説明できない依頼先へ、家電を渡さないようにします。
引越し日から逆算して家電の手配を進める

手持ち家電の仕分け、採寸、処分予約、配送予約は相互に関係します。引越しの1か月前から少しずつ進めると、回収日や配送枠が合わないリスクを下げられます。
1か月前までに一覧化と採寸を終える
- 機種名、メーカー、寸法、状態を一覧にする
- 新居の設置場所と搬入経路を測る
- 運ぶ、買い替える、処分するに分ける
- エアコンなど専門作業を見積もりへ入れる
- 自治体と販売店の回収方法を調べる
2週間前までに配送・回収・工事の日程を確定する
- 新製品の配送、設置、旧品回収を予約する
- 自治体回収または持込の予定を決める
- 固定ボルト、ホース、コード、リモコンをそろえる
- 建物の搬入可能時間と養生の条件を確認する
- 引越し業者へ大型家電の情報を共有する
前日から当日は型番に沿って水抜きと固定をする
冷蔵庫の食品整理や霜取り、洗濯機の水抜きは、型番で必要な手順が変わります。共通の時間だけで決めず、説明書と依頼先の案内に沿って準備します。
新居では、設置後に水漏れ、異音、扉の干渉、ぐらつきがないかを確認します。問題があれば、運搬担当、設置担当、販売店のどこへ連絡するかをその場で整理します。
引越し時の家電に関するよくある質問
- 引越しで家電は全部持っていく方がよいですか?
- 全部を持っていく必要はありません。状態、新居での設置可否、運搬と再設置、使えない期間を家電ごとに比べて決めます。
- 冷蔵庫の電源はいつ切ればよいですか?
- 機種で霜取りや排水の手順が異なります。取扱説明書とメーカーの案内を確認し、食品整理も含めて準備します。
- 洗濯機は何を準備すればよいですか?
- 給水・排水ホースの水抜き、付属品の整理、新居の蛇口と防水パンの確認を行います。ドラム式は固定ボルトの有無も確認します。
- 家電4品目は粗大ごみに出せますか?
- エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象です。販売店または自治体が案内する正規ルートを使います。
- 引越し業者へ不要家電の処分を頼めますか?
- 対応は事業者と品目で異なります。回収・処分の根拠、委託先、料金、家電リサイクル券の扱いを事前に確認します。
- 新しい家電は引越し当日に配送しても大丈夫ですか?
- 同日配送は可能な場合がありますが、引越し便と重なると搬入しにくくなります。配送枠、管理規約、立ち会いを確認し、必要に応じて別日にします。
まとめ
引越し時の家電は、持っていく・買い替える・処分するの3つに分けて準備します。新居の採寸、搬入経路、設置条件を先に確認すると、当日の作業を組み立てやすくなります。
冷蔵庫と洗濯機は、型番に合った水抜きや固定が必要です。家電4品目は正規のリサイクルルートを使い、無許可回収へ渡さないようにして、配送・回収・工事の日程を早めに決めましょう。

